1・整備主任者法令研修
認証工場においては、整備主任者は、自動車の特定整備及び特定整備記録簿の記載に関する事項について統括管理する者のことを言います。整備主任者となる為には一級又は二級の自動車整備士の資格を有し、特定整備事業者等において選出されます。尚、整備主任者は法令上の定めにおいて、当該運輸支局が主催する整備主任者法令研修を受けなければならないとされています。(道路運送車両法第91条、道路運送車両法施行規則第62条の2の2)整備振興会においては、整備事業者に対して、研修の案内を行います。尚、法令研修は、概ね11月に、熊本において10回、人吉において2回、天草において2回開催されます。
2・整備主任者技術研修
整備主任者は法令研修と同様に、実車を利用しての技術研修を受講しなければならないとされています。但し、1事業所に対して1人で良いとされています。整備振興会においては、整備事業者に対して、研修の案内を行い、概ね10月頃にメーカー毎に合計で8回程度実施されます。
3・自動車検査員教習
自動車検査員とは、指定自動車整備事業者が事業場ごとに、自動車検査業務を行う為に選任した要員のことを指しますが、自動車検査員となる為には、整備主任者として1年以上の経験を有し、当該運輸支局が行う検査員教習を修了しなければならないとされています。整備振興会においては、広報誌等により教習の案内を行っています。
4・自動車検査員研修
検査員研修とは、既に検査員として実務を行っている者又は、検査員有資格者であって近々検査員として選任される予定の者が、受講しなければならない研修の事を指します。
5・低圧電気取扱特別教育
1997年ハイブリッドカーが登場して15年が経過し、巷に多くのHV車が溢れています。
こうしたHV車の普及により、専門的な知識が必要な時代となりました。HV車で使用されているバッテリーの電圧は200V以上であり、家庭用コンセントの100Vをゆうに超える危険なものである為、こうした高電圧回路にかかわる点検・整備を行う場合には「労働安全衛生法第59条」及び「労働安全規則第36条」による研修を受ける事が義務付けられているのです。整備振興会においては、実車を利用して実際の整備方法を説明する一方で、感電を避けるための注意点、感電事故を起こした場合の対処方法等について研修を行います。尚、研修開催については広報誌を以て案内をしています。
6・事業場管理責任者研修
事業場管理責任者とは、整備事業者の代表者若しくは工場長等が受講する研修の事で、指定自動車整備事業者による法令違反や法令の改正等を受けて、注意喚起を含めて行う研修のことを指します。これらの案内については、適宜に整備振興会が案内を行い実施します。
7・認定資格研修
日整連が実施する自動車技術者認定資格制度で、整備技術コンサルタント、整備技術スーパーアドバイザーの事を指します。コンサルタントについては、一級自動車整備士を有している事が前提条件となり、スーパーアドバイザーについては二級整備士(二級シャシを除く。)を有している事が前提条件となります。この制度は、整備士の資質を向上させる為のものです。尚、合格した者については認定証と認定バッヂが交付されます。
8・有償運送許可申請の為の研修
道路上における事故及び故障による自動車の移動(排除・搬送業務)を有償で行う場合は、有償運送許可証が必要となります。これらは道路運送法第78条に明記されており、同条第3項において、公共の福祉を確保する為の一定の条件のもと、一部例外的な運用が許可されています。有償運送許可証の更新期限は1年となっており、許可証を申請する場合には、事故車等の排除業務を行っている者等の組織する事業協同組合等が実施する研修及び指導を受ける事となっています。整備振興会ではこうした制度に対応する為に、有償運送許可申請の為の研修を実施しています。
■整備主任者受講風景・1
■整備主任者受講風景・2
■整備主任者受講風景・3
■整備主任者受講風景・2
9・スキャンツール活用研修会
スキャンツールとは、自動車の装置が正常に作動しているかどうかを自動車に接続して診断する「外部故障診装置」のことであり、この装置を用いて、必要な整備を行うことができます。事業場認定制度として、「コンピューター・システム診断認定店」が設置され、平成25年よりスタートすることとなりました。整備振興会では、三級自動車整備士以上が対象とする「基本研修」、基本研修のステップアップ及び高度な診断・整備技術の習得を主たる内容とする「応用研修」に区分して行うものとしています。この研修会の目的は、診断作業の効率化を図ることを目的として、自動車の電子制御装置の機能診断が実施できる整備事業を認定することにより、ユーザーの信頼を獲得することにあります。