自動車整備事業のビジョンUの発刊

1・時代の転換

2002年(平成14年)5月、「制度に保護された時代から競争を前提とした時代」への転換として、日本自動車整備振興会連合会(日整連)が「自動車整備事業のビジョン」を発刊しました。10年近くが経過した現在の整備業界においては、整備事業者数の増加に対して総整備売上高の減少という構図となり、更に、人口減少、少子高齢化、自動車の保有台数の減少、経済の慢性的閉塞状態等の時代背景が拍車をかけた状態となっています。

こうした状況を受けて、「競争を前提とした時代」から「多様化するユーザーニーズに対応する時代」をキーワードに、「自動車整備業のビジョンU(転換期に立つこれからの自動車整備事業のあり方)」が平成23年3月に再び発刊されました。


2・自動車整備事業の環境の変化

自動車整備事業を取り巻く環境は、少子高齢化や経済の閉塞状況を受けて、環境に的確に対応しなければ生き残れない時代となっています。これらの影響により、自動車の総保有台数は減少し、更に2020年には6%以上減少(2008年対比)するとされています。又、軽乗用車が増加傾向を示しています
ハイブリッドカーについては2010年に100万台であったものが、2015年には350万台に増加し、電気自動車においても微増ではあるものの増加傾向を示しています。一方、長期使用車両も、2020年頃には全体の4割程度となると予想されています。価値観の多様化の中で、若年層の自動車離れが増加傾向にあります。


3・整備業界における今後の課題

日整連では、こうした環境下において、多様化するユーザーニーズに対応する整備事業者が行うべき事を下記の様に提案しています。

(1) 整備技術力の強化

(2) 顧客満足度向上による入庫・売上の拡大

(3) 経営資源の充実と活用の効率化

(4) 健全な経営の実践

(5) 事業場の個別事情に応じた事業経営



■自動車整備事業のビジョンU(概要版)


■自動車整備事業のビジョンU(詳細版)